思い出(その2)

患者さんからの続きを聞きたいという声がありながら、
続きを書くまでに時間がかかってしまいました。
申し訳ありません。

ここからが続き。
藤本漢祥院に着いたのは診療時間もあとわずかという時間。
すぐにベットに通されて軽い問診。
仰向けになれないので左側臥位にて状況を姉弟子に話していると、
蓮風先生と偶然その日に治療に来ていた消化器内科医のS先生がやって来られた。
部屋の外には研修に来ていた医師や鍼灸師の先生方。
後に聞いたところ蓮風先生は「急性膵炎」と「虫垂炎」を聞き間違っていたらしい。
しかしここが東洋医学、『鍼狂人』藤本蓮風すごいところ。
問診しながら体表観察(脈診・舌診・気色診など)しツボの状態を確認。
「大丈夫や」の声が蓮風先生の口から聞こえてきた。

そういえば以前にも同じ言葉を聞いて安堵したことがあった。
幼少期に蓮風先生の父で私たち兄弟の名付け親でもある藤本和風先生の治療を受けていた時、
亡き父に風邪や夜寝付けないときに治療してもらっていた時、
就職して勤めていた仕事先で倒れた際に蓮風先生の治療を受けた時。
その時は治る治らないはわからないにしても安堵して涙がこぼれていたのを覚えている。

続く

2019年04月03日